来世ではちゃんと愛されます

咲かないバラ、ただ野茨

一年の終わりに光の筋を見た -2022年の振り返り-

2022年ももうすぐ終わり。去年の暮れと違い、少し暖かいところにいる。
去年~今年の途中までいたところはなんだか風が強くて、天気はいいのに寒く感じた記憶がある。

今年を振り返ろうと思ったのだけど、初春のことは何も思い出せない。去年の暮れは何をしていたのか。今年の年始は何をしていたのか。正月何を食べたのか。部屋に家具があったのかなかったのかも思い出せない。

 

寒さをどうしのいだのかも思い出せない。例年、湯たんぽを抱いて寝るのだけど、湯たんぽを出した記憶もない。どんな服を着ていたのだっけ。

 

真っ暗とも真っ白とも言えない、無色のようなグレーでもあるような曖昧な記憶と感情が缶コーヒーの最後の数滴程度と同じくらいだけある。

 

そうだ、現実逃避したくて、正月は小説を読みふけっていたんだっけ。

 

その後、春が来る頃には転職活動を始めた。このままだとやばいと思ったし、命がなくなると思った。結局命は残ったけど、内面は沸騰した泥水みたいに汚くてぐちゃぐちゃになった。毎日すり鉢で潰されるような、フードプロセッサで触感の無いペーストを作るようなそんな日々だった。そんな日々、今年の出来事なのか、去年の出来事なのかさっぱりわからない。

 

梅雨のころには奇行が増えてた。家に帰らず徘徊したり。散歩なんてかわいいものじゃなかったと思う。頻度も回数も時間も。自分の中では気分転換のつもりだったけど、おかしくなった自分に操作されていた自分もいたかもしれない。あっちが本当の自分かなぁ。

 

盛夏のころには働けなくなった。自分の中では制度をうまく利用した休暇くらいの感じに斜に構えていたけど、今思えばあの状態は普通じゃなかった。結局働かなかったっていう事実だけは間違いない。

経済的に苦しくて、精神的にも苦しかったけど、働いているよりはましだったと思う。

そのころ身内に不幸があって、なんだか余計にいらいらしたり、久しぶりに会ったおじさんに励まされたりしたっけ。

 

春に始めた転職活動はそれどころじゃなかった。参っている自分には徘徊くらいしかできなかったから。うまくいかないことの方が多かった転職活動だった。でもなんとか働き先を見つけて、秋の終わりから働き始めた。

 

きれいなオフィス、食堂、自販機。まともな上司、人間。社会に復帰できそうな気がした。久しぶりの労働も苦ではなかった。

 

なんなら毎日楽しい。良い意味の刺激がある。トラウマや恐怖心もあるけど制御できる範囲内に収まっていると思う。

 

そうやって働いていたら、あっという間に年末が来た。今日で仕事納め。今夜は湯たんぽを抱いて寝る。

来年は正社員になる。大変なことや面倒もあるだろう。今年を振り返ると後ろは真っ暗。来年の方を見ると明るい光の筋が見えている気がする。今年を生き延びた。来年は小さな火でいいから。自分の命に火を灯して命を燃やしたい。